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| その男(坂口 拓)は奥深い森を駆けていた。囚人仲間とともに刑務所を脱獄した彼は、ふたりをピックアップする一味との合流地点を目指していたのだ。やっとそこへ到着した彼らのもとに、一台の車が近づいてくる。計画は滞りなく進められ、このまま車に乗って娑婆へと逃げるはずだった。しかしそれは、周到に仕組まれた罠の序章に過ぎなかったのだ。
車から降り立った5人の男達。はやく安全な場所まで連れて行くよう要求するふたりに対し、男達は口々にボスが来るまでここで待機するよう命ずる。焦るふたりを尻目に、車からひとりの女(三坂 知絵子)が降ろされる。その瞬間、既視体験に襲われる男と女。乱暴に扱われる女の姿に怒りを覚えた男とチンピラ達との間で緊張が走る。そのとき男が奪い取った銃口が火を噴いた。倒れこむひとりのチンピラ。しかし死んだはずのチンピラはすぐさま立ち上がり、仲間を襲い始める。信じられない光景を目にした男達は、この‘死人’に向かって闇雲に銃弾を浴びせ掛ける。再び倒れる‘死人’。一体何が起こったのだ?この森には何か想像を越えた力がある。そう誰もが気づき混乱する隙を縫って、男は女を連れて再び森の内部へと走り去っていった。 ふたりを追って森を捜索する男達。森の不穏な空気に仲間のひとりが錯乱する中、地の底から無数の‘死人’が起き上がり彼らを襲う。そんな修羅場に遭遇した男も、この時ばかりは彼らに加勢して容赦なく銃弾を浴びせる。血みどろの戦場に怖れをなして逃げる女。 ‘死人’の群れを倒した男達だったが、次に彼らの銃口は必然的に男に向けられた。だが、彼らのひとりが男を解放する。男と女が合流したところで捕まえるのが得策と考えたのだが、これを機に男達の間で亀裂が生じる。無軌道のカオスと化したこの森では、あらゆる価値観が全て闇の中へと葬り去られていく。 一方、再び出逢った男と女。女はここに連れて来られてからのことしか覚えていないと告げる。男もまた、何故自分が刑務所に入れられていたのか覚えていないようだ。そして何度となく男の頭をよぎる既視体験は一体何を意味しているのだろうか?しかし、自ら目にしたものしか信じない男は、そんな空想めいたことを否定する。 その頃、男達のもとにボス(榊 英雄)が姿を現した。男達は一向に先が見えない不可解な計画の真意を尋ねるが、ボスは答えようとしない。業を煮やした一人がボスを撃つが、彼は微笑さえ浮かべ彼らを血祭りにあげていく。その様子を物陰から見ていた男と女。女は何かを知っているようだ。男は女に激しく問い詰める。あいつは誰なんだ?おまえは一体何者なんだ?やっと女は重たい口を開き始める。ここは黄泉返りの森であり、あの男が死者を甦らせている。そしてあなたとあの男は戦う宿命なのだ、と。全く女の説明が理解できない男の前に、ついにその‘男’が立ちはだかる。時は来た。500年の歳月を超えた壮絶な戦いの火蓋が今、切っておとされたのだった...。 |
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