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最愛の妻を殺害され、自暴自棄になった刑事、村田(香川照之)。半年もの間自宅に引きこもり酒におぼれる彼の元に、同僚の滑川(田辺誠一)が訪れる。突然の招かれざる客を煙たがる村田に対し、滑川は軽い調子である任務を告げる。
それは渋谷のラブホテルで殺された女子大生、楠田美知子(安藤希)の身元確認のため、彼女の遺族を滑川と一緒に苫小牧から東京へ連れてくること。犯人はまだ捕まっていないが、最近多発する連続殺人犯と同一人物の仕業らしい。気乗りしない村田であったが、滑川に説得されるまま苫小牧へ飛ぶ。
目的地に到着したふたりは早速、被害者の兄のもとへ向かう。足の不自由なこの男は妹の変わり果てた写真を目にして錯乱するが、どうも腑に落ちない村田は、美知子の事件直前の行動を兄に尋ね始める。いきなりの越権行為を責める滑川を尻目に、彼女のアルバイトの連絡先を聞き出す村田。
その晩、地元の市警である佐伯(田中隆三)と及川(松田賢二)によってささやかな歓迎会が催された。佐伯は滑川の警察学校時代の先輩であり、和気藹々と宴は進むが、村田はどことなく居心地の悪さを感じる。
翌朝、湖のほとりで美知子の兄の死体が発見された。状況証拠だけで自殺と決め込む佐伯らに苛立ちを覚えた村田は単独で捜査を開始、手始めに美知子が働いていたという開店前のバーへと向かう。しかし美知子は店員ではなく、客として頻繁にその店に通っていたのだとカウンターに立つ謎めいた女性、伸子(大塚寧々)から告げられる村田。さらに美知子の友人でアルバイトとしてバーで働く愛(安藤希・ニ役)からは、美知子は援助交際をしており、客との待ち合わせのため店を利用していたと知らされる。もし美知子の携帯が見つかったら、町全体がひっくり返るのではないかと語る愛。事件の糸口を見出すどころか、逆に出口のない迷路へと迷い込んだような懼(おそ)れを抱いた村田は、嫌がる滑川を引きつれその夜再びバーへと足を運ぶ。愛の姿が見えないことを不思議に思った村田がそのことを伸子に尋ねると、彼女は静かに答えた。「いませんよ、そんな人」――。
徐々に混乱していく村田。夢のように曖昧な意識の中で、妻が殺害されたときの記憶がよみがえる。猜疑心に苛まれ、妄想と現実の区別がつかなくなった村田の疑念の矛先は滑川にまで及ぶ。妻には男がいた。別れ話も切り出されていた。
犯人は自分が射殺したはずだ。しかしそれらは実際の出来事だったのだろうか・・・。
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